Pink Tech シリコンバレー

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ソーシャルメディア×ミュージック


気になったiPhoneアプリを紹介します。名前は「Sound Tracking」(サウンド・トラッキング。)音楽をソーシャルメディアで共有できるサービスです。

 自分が今聞いている音楽や、好きな音楽をソーシャルメディア上でシェアすることができます。選んだ曲は、全曲は流れず、一部だけ流れるような仕組みになっています。今のところシンクロできるのはフェイスブック、ツイッター、フォークスエアです。もちろんSound Trackingのサイトでは自分のシェアしたログが残りますので、自分がどんな音楽が好きなのかというのを、友達にみてもらうことができます。また、サウンド・トラッキング上で友人や著名人フォローすることができ、自分の趣味に近い音楽仲間のタイムラインをみることができるようになります。

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 ユーザーのSound Trackingページをスクリーンショットさせてもらうとこんな感じになります。写真を入れることができ、どこにいるのかという場所もダグできます。

 サービス料金は無料。サウンド・トラッキングは、消費者が紹介した音楽を販売することでマネタイズします。シェアされた音楽には必ずiTunesストアのボタンがついていて、欲しい人はそこから曲を買うことができます。売り上げはサウンドトラッキングとiTunesで分け合うということになるそうです(割合は分かりません)。

 最初はどうやって使ったらいいのかと思ったのですが、しかしこのサービス、新しい推薦エンジンとしてかなり注目に値すると思います。例えば、私は音楽よりも本にお金を使うので本に置き換えて考えてみましょう。

 今まで、アマゾンなどのサイトは私の検索した本を元に、様々な本を推薦してくれていました。しかしそこでのレビューは、自分と趣味や思考と違う人たちも批評しているわけです。属性や経験値などが違う人たちが混在するなかで、どの本を買うかを決定していたことになります。

 サウンド・トラッキングのようなソーシャル・レコメンデーションを使えば、より自分好みの情報へ転化することになります。私は現在ツイッターでソーシャルメディアに興味を持っている人を中心にフォローしています。その人たちのつぶやきに興味があるということは、私がフォローしている人が推薦した本は、きっと私も興味があり面白いと思う可能性が高いということになるはずです。

 今後は音楽や本だけに限らず、コンテンツすべてにソーシャルグラフをかませることで、検索の方法が変わったり、情報の引き出し方が変わってきそうです。

自分でもシェアしてみました。インベット用のリンクを見つけられなかったので、興味のあるかたはリンクに行ってみてみてください。
http://soundtracking.com/tracks/4ed596ad4e934b551100091f
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by katoyasuko | 2011-11-30 11:24 | アプリ

私がアメリカに来たワケ

アメリカ在住ですので、特に日本のかたから「何でアメリカに来たの?」とよく聞かれます。私は今流行りの「ノマドワーカー」ですし、海外で働きたい人や、日本で会社を辞めようと思っている人もいると思います。自分のことなんて何かナァとは考えましたが、参考になればと思い、私がアメリカに来たワケを書いてみたいと思います。

-学生時代-
小さい頃は本とともに生活し、中学・高校生の頃からは本に加えて雑誌の世界にものめり込んでいました。とはいえ、おこずかいも少なく、何冊も雑誌を買えないので、本屋さんに足を運んでは、雑誌を立ち読みしていました。今でも本屋のにおいが大好きです。大学に入ってすぐ、サークルの先輩が出版社でアルバイトをしていることを知りました。しかし先輩が働いているのは、あまり自分の興味のない雑誌。同じ出版社で私が好きな媒体を選んで、編集部にアルバイトを募集していないか電話してみました。ちょうどアルバイト採用の時期だったので、履歴書を送り、面接をしてもらったら採用。初めて出版社というところに足を踏み入れて、非常にドキドキしました。後で知ったことですが、ほぼ紹介制のバイトなので落ちることなどない、ゆるい面接だったそうです。というわけで、憧れの出版社でアルバイトできる…という素敵な展望が見えてきました。

-アルバイト時代。楽しい仕事と払拭できない思い-
結果から言うと、出版社でのアルバイトは非常に楽しいものでありました。とは言っても入ったときは18歳の高校を出たばかりの学生ですので、最初にやったのは電話の取り方の練習でした。「はい、●●編集部です」というだけなのに、非常に緊張したことを覚えています。そこからお使いに行ったり、撮影のための物品を運搬をしたり、たまにリサーチを手伝ったり…と何も知らない学生なのに、色々なことを経験させて貰えました。そして、実際編集部の現場を横から眺めているのも非常に刺激的で楽しかった。色んな人が出入りをしたり、ミーティングで様々なことが決まっていく様子は、想像していた通り非常にクリエイティブでした。それと同時に、思ったよりもかなり地味で地道な作業だということも分かりました。手元で開けばとても華やかなだけの雑誌ですが、校正さんが必死で文字をチェックしたり、どんどん刷り上っていく見本ページをまとめてみたりとクリエイティブなのはほんの一面でしかないことを学びました。しかし、総合しても、かなり楽しい仕事だという結論に至りました。

大学で進路を決めたり就職活動を始めるのはあっという間です。2年生のときから考え始め、3年生で就活体制に入っていきます。出版社で働きたいという希望があったのですが、私が学生の頃は就職氷河期。今考えれば、現在の状況よりはマシですね。それでも、私のアルバイトをしていた出版社もひどいときは雇用凍結。雇っても東大と京大から1人ずつという状況です。これでは完全に撃沈です。宝くじを当てるよりも難しい。そんなことに自分の将来を託すのか?それとも色んなところを受けて、自分の適性ではない仕事をしてみるのもひとつの選択なのか?と迷いました。

もうひとつ、就職活動を頑張れない理由がありました。出版社での仕事は非常に楽しそうに写りましたが、ではこの環境で仕事をしたいですかと聞かれると、イエスとは言えないと考えたからです。20歳の私が悶々と考えていたのは、「何でこんなに遅くまで働いているんだろう?」「いつ家族とご飯食べてるんだろう?」「プライベートっていつなんだろう?」「働いている人がいつもものすごく疲れているように見える」ということです。なんて情けない若者よと思うかもしれません。しかし、私は仕事が嫌いではありません。むしろ好きです。仕事の内容でなく、環境に違和感を感じでいました。

大学に入ってから、なんとなく生きていくこと、というかこの先仕事をすることに閉塞感や息苦しさを感じるようになっていました。「生きていくっていうのは、我慢していくっていうことだよ」と暗にいつも言われているような気がしていました。たまたま親戚がアメリカにいたのもあって、アルバイトのお金をためてアメリカに旅行に行ってみることにしました。一度目は親戚があれこれと世話してくれたので、旅行気分だったのですが、非常に心が開放的になったのを覚えています。じゃあ今度はニューヨークで短期間生活してみたい。そう思い、アルバイトに明け暮れ、2ヶ月ほど夏休みにニューヨークに行きました。やはり、想像していた以上の開放感。私が住みたい環境はこれだと思いました。

しかし海外を目指したところで仕事はどうするのか?就活は?アメリカで働きたいと思っていましたが、今思うと具体的なプランがあったというわけではありません。しかし出版社のアルバイト時代に、海外に住んでいるライターさんは意外と多く、需要もありそうだと考えていました。また、ライターになりたいのであれば、英語がえきればリサーチやインタビューの幅もかなり広がるということも魅力的でした。そこで就活はせずに、アメリカでもう一度学生をし、アメリカで働くことを目指すことにしました。そこから大学にもう一度2年間通い、インターンなどをしながら運よく就職することになりました。その後フリーになり、ニューヨークからカリフォルニアまで引っ越しを経験しています。

アメリカでの学生時代、就職、フリーになることなど、そこからも色々あるのですが、長くなるので今回はひとまず私がアメリカに来たワケだけを書くことにします。学生の頃は、ものすごく無謀な挑戦のように思えましたが、行きたいという希望ですべて押し切ったようなものです。

-得られたもの-

●希望の出版の仕事をすることができたことです。日本で学生だったとき就活していたらどうなっていたかよく分かりませんが、アメリカに住むこと、アメリカで働くこと、出版の仕事をすることが目標だった私は、ひとまずそれをすべてクリアすることができました。

●英語で仕事ができるようになったことも大きいです。私もまったく英語ができない学生でしたので、英語の習得方法についてはまた別で書きたいと思います。今はリサーチやインタビューが英語でできますので、視野が広がったことは言うまでもありません。インタビューしている人はIT関係の経営者、大学教授、アナリスト、エンジニアなど色々です。シリコンバレーに来てからは、IT企業を運営する著名人や、この地域にあるスタンフォードやバークレーの教授にインタビューさせてもらえる機会が多いです。インタビューをさせてもらう人のなかで、壮大なビジョンとそれを実行する実力を持っているひとに出くわし、衝撃を受けることがあります。そんな時は自分がちっぽけに感じます。しかしそういった事も刺激的で、考え方やものの見方を豊かにしてくれます。

●フリーになってからのことですが、「もっと自由に考えていい」ということを学びました。父親が銀行員で、フツーのサラリーマン家庭で育った私は、自分がこういう風に働くなんて、考えもしていませんでした。簡単に言うと、今は一年で1ヶ月×2回を日本で過ごし、後はカリフォルニアに住み、そして取材で行くことがあれば出張に行くという生活です。ニューヨークも好きなので、3ヶ月に1度は行くことを目標にしています。日本に滞在する間は、メールや電話で取材できるような案件だけ受けて、仕事をしています。海外生活も6年になり、日本の家族と過ごせる時間って実はそんなに多くないと考えたため、日本にも滞在するようにしています。フリーそしてノマド生活については、また別で書きます。

●学生時代に感じていた「生きていくこと、働くことは、我慢すること」という考えを払拭することができました。今は働くことは楽しい。それだけです。こちらでは、プライベートを大切にしますので、個人の時間もたっぷりあります。しかし、楽しく働くことは短時間働くということではりません。頑張って働けば、自分に返ってくるというのを感じられるので、より仕事に精を出しているという感じです。

●プライベートと仕事のバランスも丁度いいです。こちらでは、ジャーナリストが取材先とご飯を食べたり飲みに行ったりということはまずありません。指定のインタビュー時間で質問をするだけで、インタビュー時間もかなり限られていることが多いです。同僚と飲みに行く文化もあまりありません。一方で、私は日本人の先輩や取引先などと飲みに行くのは好きで楽しみにしています。先輩記者のかたや、様々な業界のかたの話をご飯を食べながら聞くというのは大好きです。しかし、私が学生のとき、毎晩取引先の人と飲んだりしてプライベートがない生活は嫌だなと考えていました。ですので、今はちょうどいいバランスが取れているように思います。

大きなところで、こんなところでしょうか。もちろん、フリーになることで収入が安定しないなどマイナス面もあります。フリー・ノマド生活のことは、また今度紹介したいと思います。それでも、私が日本の大学生に戻ったら、私は間違いなくまた同じ選択をします。つまり、得たもののほうがより大きいです。私の体験を書いたのは、もし同じような事を感じている人がいれば、もっと自由に考えていいと思えるきっかえになればと考えたからです。今は日本でもジャーナリストの佐々木俊尚さんや安藤美冬さんなどがノマドの働き方を色々と提唱してくださっているので、そういうかたの本やブログを読むのもいいと思います。そしてそういった働き方や考え方はフリーの人たちだけでなく、会社員にも当てはまるし、助けになると考えています。
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by katoyasuko | 2011-11-27 14:24 | 働き方

海外で成功するには、シンプルに徹するべき

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(サンフランシスコの丘の上。この地域はオラクルCEOラリー・エリソンなどのビリオネアの家が集まる地域です。)

最近は、日本人もシリコンバレーにやってきて、
インターネットサービス分野で世界を相手にしたいという人が増えています。
本当に素晴らしいことだし、同じ日本人として是非頑張って欲しいです。
しかし今のところ、こちらで成功しているという人は非常に少ないということは忘れてはいけません。
ポテンシャルがあると言われる日本人ですが、なぜ成功事例があまりないのか?
それは日本人だからこそ陥っている失敗があるからです。

9月だったでしょうか、サンフランシスコでウェブコンサルを行っているBtraxのCEOブランドン・ヒルさんにお話を伺いました。
ブランドンさんは日米のハーフで、アメリカの視点も日本の視点も持っており、
いつもすごくいい洞察を教えて頂いています。
ブランドンさんの話のなかで、成功に近づく一つの要因として、
「日本人が海外で成功するためには、ぎりぎりまでシンプルにすること」が挙げられました。

ガラパコス携帯が良い例です。
ガラパコスとはウィキペディアによると「孤立した環境(市場)で「最適化」が著しく進行すると、エリア外との互換性を失い孤立して取り残される」とあります。
日本市場だけ見ている時はいいのですが、
世界参入ということになると、困難に陥ることは多々あるのです。

最近自分の経験でも、日本市場とこちらの市場の差を感じたことがあります。
最近ジューサーが欲しいと思い、Amazonでひたすらどれを買おうか比較をしていました。
それを母親に話すと、テレビショッピングですごくいい商品があったというのです。
聞いてみると、ジューサー機能のほかに、ノズルを交換するだけで搾る、おろす、挽く、練る、混ぜるの1台5役ができるというんですね。
ジューサーを使って、うどんを作ったり、チーズを擦りおろしたりといろんな事ができると。

そんなモノがあるのかと思い、アメリカのAmazonに戻ってみて見ると、
トップに出てくるジューサーで、そんな多機能のものは無いんですよ。
日本の楽天ならどうかと思い見てみると、やはり出てくる出てくる。
色んな多機能ジューサーがありました。

私個人的には、多機能ジューサーはすごく良いと思います。
しかし文化の違いや、色々なものを使いこなせる日本人だから欲しいものであって、
一歩海外に持って行くと、あまり魅力のある商品ではないということになってしまうんです。

例えばこちらでは、ジューサーで最も栄養価を損なわずにジュースを作れる商品とか、
シンプルにジュースしか作れないけど、かなり低価格とか、もっとシンプルなニーズがあります。

インターネットサービスでも同じ事で、あれもこれも出来ますよというのではなく、
一言でサービスを語れるくらいシンプルであること。
またそれに合わせたシンプルな機能とシンプルで美しいデザインが好まれます。

これだけ世界の情報が溢れていても、
日本人であるが故に気づかないことは色々あります。
日本人が犯しがちがちな失敗を知っておくだけでも、海外で成功する確立はかなり上がるはずなので、
是非、経験者やアドバイスしてくれる日本人の声を聞いてみてください。
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by katoyasuko | 2011-11-26 08:10 | テック

ソーシャルメディアバブルにそろそろ陰りが

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「株も不動産も奪い合い!シリコンバレーが熱いー期待どうりの驚異的成長は続くのか」
という記事を書いたのは、たった3ヶ月程前の話なんですね。
あまりの市況の変化に、もっと前に書いたものだと思っていて自分でびっくりしてしまいました。

シリコンバレーでは、1年ほど前からでしょうか。ソーシャルメディア関連のサービスで、バブルが起こっているという認識がありました。
いかにも景気の良い話が飛び交い、これは浮世離れしているなと、
ここに住んでいる人であれば誰もが感じていたはずです。

しかし、とうとうバブルがはじける音が聞こえてきてしまいました。
クーポンサイト大手のグルーポンが20日から3日連続で続落して、
IPO価格の20ドルを割り込み、23日には16.96ドルになっています。

グルーポンは、IPO前から色々とトラブルが続いていて、
会計報告書に問題があったり、マーケティング費用の急増が指摘されていたりと、
色々晴れない噂が多かった会社ではあります。
しかし、テクノロジー関連の注目株だっただけに、インパクトは大きいです。

グルーポンだけなら良いのですが、IPOをしたばかりのテクノロジー企業の株価があまり芳しくないというところが痛い。
インターネットラジオ局を運営するパンドラ・メディアも大幅に落ちて、
6月に行ったIPO価格に迫っています。
リンクトインは初日にIPO価格の2倍以上をつけたのですが、そこから30%ほど下がっています。

最近、注目のテクノロジー関連企業はIPOをしたらドーンと株価が上がるというイメージが定着しつつあったのですが、
今後はそうもいかなくなりそうです。

欧州の問題も根深く、世界で足下がぐらついている状態なので、
より安全なところへとお金が動いているようです。
企業の淘汰が激しくなった、ドットコムバブルの終わりを彷彿とさせます。

ちょっと話はそれるのですが、先日不動産投資家のかたに色々とお話を伺ったのですが、
不動産エージェントはシリコンバレーのIPO後、ドカンとミリオネアになった人達が不動産を買うことを狙っているそうです。
ちょっと前までは、バブル感が漂っていたので、「ミリオネアが続出するね」なんて言っていたのですが、そうそう明るい話題ばかりではなくなってきました。
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by katoyasuko | 2011-11-25 18:20 | シリコンバレー

ジャーナリストが学ぶべき、ソーシャルメディアの使い方。

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以前、日経ビジネスの私のコラムに
「記者160万人革命」~フェイスブックで報道が変わる という記事を書きました。

この記事では、フェイスブックとジャーナリズム(報道機関)を軸にしています。
報道機関がフェイスブックを使ってトラフィックを増すことが重要になっていますので、
報道機関は、ファンをつくり、動画や写真の使いながらフェイスブックを活用していかなければ生き残ることができなくなるという内容です。

この記事は4月にパロアルトにあるFacebook本社で行われたミートアップ(というより講義)に基づいて書きました。
記事では軽くしか触れませんでしたが、私はそこで別のことに衝撃を受けたのです。

それはソーシャルメディアが普及した後のジャーナリストはどう振舞うべきかというテーマです。

フェイスブックが言うにはは個人ページをきちんとつくり、自分の記事の紹介はもちろん、
記事のこぼれ話や、自分の気になった記事をそこで紹介するべきだというのです。
もちろん自分の読者が話しかけてきたり、質問を投げかけたりすることもあります。
それに全部とは言わないまでも、読者とのコミュニケーションを忘れるなというアドバイスもありました。

実際にアメリカでは、ニューヨークタイムスの名物記者ニコラス・クリストフや元ニューズウィークの国際版編集長ファリード・ザカリアなど、有名記者は自分のフェイスブックページやツイッターを持ち、
会社の記者という位置づけではなく、個人のジャーナリストとして発信しています。
フェイスブックが紹介している事例が気になる人は、こちらを見てみてください。

私はこれを聞いたとき、かなり衝撃を受けました。
後戻りできないシフトチェンジが起こったと思ったからです。

今まで、記者・ライターは雑誌に名前を載せているだけで許されました。
特に社員記者は、色々と自分のプロフィールを見せなくても、
「●●新聞社の加藤靖子」「●●出版社の加藤靖子」という、
確立されたブランドで働く個人という位置づけでよかったのです。

しかし、ソーシャルメディアが普及してくると、会社のブランド傘下にある自分というのは成り立たなくなっています。
個人として何を考えているのか。どんな活動をしているのかがより重要になってきます。

フェイスブックとしてはユーザーの滞在時間が長くなりますので、
フェイスブックのプロモーションとうがった見方もできます。
しかしこれはフェイスブックだけに限らず、ツイッターでも、Google+でも、
ソーシャルメディアがある限り、この普遍的な事実は変わらないでしょう。

以前知り合いと話しているときに、
「今の若い人は、人が何をやっているかとか、何を考えているか知りたい、
そして自分がやっていることも見てもらいたい欲求がある」

ということを言われたことがあります。
たしかそういう記事も見た記憶があります。

でも、私はそれちょっと理解が違うのではないかと思うのです。
今まで芸能人のゴシップをテレビを見ていたのも、
リアリティーショーで芸能人、一般人の生活をのぞいていたのも同じで、
人の生活、考えていることを知りたいという欲求は昔からあったと思うんです。

そこにソーシャルメディアが現れて、
芸能人や有名人レベルでなくても、個人のことをもっと知ることができるようになった。
そうなると芸能人は昔、「雲の上のひと」というポジションだったのが、
自分たちと同じレベルまで降りてくることになりました。

そこで何が起きたかというと、消費者が下から芸能人、企業、メディアを眺めることがなくなって、
もっと対等な「共感すること」に価値を見出すようになったと思うんです。

記者の話に戻ると、今まで一方的に記事を書いていればよかったのですが、
そうではなくなっている。
もっと読者に寄り添った姿勢が求められるようになったんですね。

もちろん、これは記者にとって簡単なことではありません。
アメリカ人は日本人よりも個人のことをオープンにすることに寛容といわれています。
それでもフェイスブック本社の講義では、

「記者のプライバシーはどのように守ればいいのか?」とか、
「誹謗中傷などのコメントはどれくらいくるのか?」
とかいう質問が飛び交っていました。

会場のなかで、記者として個人名でブログをやったりフェイスブックをやったりしているのは、
半分強くらいなんじゃないかなという印象でした。

私個人のことを考えても、個人で出て行くというのは簡単なことではありません。
それでも、ソーシャルメディアが普及する限り、この流れは不可避だと思っています。

これは記者に限らず、ほとんどの業種の人に言えるのではないでしょうか。
かなり衝撃を受けた事実ではありましたが、きっとこのトレンドも変化を遂げながら定着していくと考えています。
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by katoyasuko | 2011-11-23 04:30 | 働き方

人気コメディーをネットフリックスで独占放送

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人気コメディー「アレステッド・ディベロプメント」がネットフリックスで独占放送すると報じられました。
ウォールストリートジャーナルの記事はこちら

アレステッド・ディベロプメントは、2003年から2006年までケーブルテレビで放送されていた、人気コメディーです。
どちらかというと、コアなコメディーファンに好かれるタイプのもので、
日本人が好みそうな感じではないですが、
とにかくこちらではお気に入りの番組として挙げる人も多いのです。

2006年に放送がキャンセルされていたのですが、
なんとネットフリックスがコンテンツを買い、新シリーズを10話ほどを独占放送することになりました。
放送といってもオンデマンド動画ですが。

通常は放送が終了したコンテンツを買って放送していましたが、
ケーブルテレビと同じく、ネットフリックスが最新のコンテンツを抱え込むかたちになります。

ネットフリックスがコンテンツを買って独占で放送するのは今回が初めてではありませんが、
もともと人気があった番組なだけに、ファンの間ではツイッターなどで喜びの声が上がっています。

先のブログで、アメリカでケーブル放送を解約する「コードカット」の動きが進んでいるとお話しました。
このようにネットフリックスが独自コンテンツも拡充させることによって、
ますます多くの人がケーブルを必要ないと感じるようになるでしょう。

そもそも、ケーブルは月に大体100ドル近く払わないといけません。
その代わりどんな番組でも見れますよというコンセプトだったのですが、
そんなに番組は見れないし、好きな番組の料金を払いたいという人は多かったはずです。

今のところネットフリックスはオンデマンドとDVDのレンタルをあわせても月16ドルです。
オンデマンドでいつでも見たいときに見れるというのも、
今の消費者のニーズに合っています。

ちなみにアレステッド・ディベロプメント1話につき、ネットフリックスが支払うのは300万ドル(約2400万円)といわれています。
10話だと2億4000万円になるので、安い買い物ではありません。
しかし、これで新規会員を獲得することを狙っているようです。

現在ネットフリックスは会員が2500万人以上です。
コンテンツも高額なため、この先オンデマンドコンテンツを拡充するのに、会費の値上げをする可能性は大きいと思いますが、
やはり手軽だと思える会費を維持するのには、規模のメリットを拡大していくしかないでしょう。

先のビジョンがある会社なのですが、
ネットフリックスは今年の夏、会費を8ドルから16ドルに急に値上げをして、
大ひんしゅくをかっています。
先進的なことをしなければという気持ちが前のめりになり、
すっかり会員のケアを忘れていたようです。
クレームも相次いで、かなりメディアから叩かれた…ということもありました。
ですので、値上げをするにしても前回のようなことはまぁないでしょう。

オンデマンドでどこまで快適なサービスを提供できるのか。
時間は掛かりそうですが、非常に楽しみです。
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by katoyasuko | 2011-11-22 10:12 | メディア

AP通信の記者、ツイッターを優先して怒られる。

BBCの、"Associated Press reporters told off for Twitting"という記事です。

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今ニューヨークで起きているウォール街占領デモに関して、
自社で速報を流す前に、ツイッターに流してしまい、数名の記者が上司に怒られたとのこと。

もちろんアメリカのメディアはツイッターをかなり多用しているんですが、
メディアは自分のサイトに来てもらわないといけないので、この件から使い方はまだ及び腰と言えるでしょう。

APの場合、”速報になるような情報、写真、動画がある場合は、ソーシャルメディアに流す前に、Wire(ネット)に先にアップすること”というルールがあります。
その他のメディアもソーシャルメディアの利用に関して、
厳格なルールを作っているようです。

しかし情報を受ける側として考えてみると、
やはり速報は早くないと意味がない。記者が急いで記事を書いて、
デスクを通して、さらにネットにアップして…というのを待っているよりも、
その手の速報はたとえ断片的であってもすぐに欲しいはずです。

速報が必要な場合、特に東日本大震災のような、非常事態が起こったとき、
アメリカの視聴者は今どのメディアに行くのでしょうか?

ここアメリカでは、ケーブル加入者が非常に多く、逆に言えば地上波だとろくな番組が見れません。
2009年の時点でケーブルテレビの加入割合が49%を越えています。
しかし今、「コードカット」という言葉が生まれており、つまりケーブルテレビの解約者が、ネットに流れているというトレンドがあります。
既存のケーブルテレビ加入者はBBC やCNN など速報に強いメディアがあるので、
それを流して情報を得るとして、非ケーブル加入者の情報源はネットになるはずです。
もうひとつ、アメリカは車社会でNPRといったラジオを流しっぱなしにしている人が多いので、
そこからの情報源もあると思います。

ネット利用者に関しては、大災害や大事故が起こったとき、
日本と同様にネット利用者はかなりツイッターに流れるでしょう。
そんなとき、大手のメディアが自社のネットにアップするのを待ってから、ツイッターに流しても、
前述のように、あまり意味がないはずです。

というよりも、ユーザーには腐ったニュースとして、見てももらえなくなってしまう可能性があります。
ニュースを流せるのは、大手メディアだけでなくなったのですから。
記者を叱っている場合ではないのでは?と思うのです。
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by katoyasuko | 2011-11-19 05:17 | テック

新規株式公開だから、株返せ!?

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ちょうど一週間前のことですが、
オンラインゲームのZynga(ジンガ)が、
新規株式公開を前にして、特定の社員に、
「株返せ!でなきゃクビだぞ」と株式の返却を求めたとウォールストリートジャーナルが伝えています。

ちょっと前にも話題にしましたが、
勢いのあるベンチャーで働く事は、こちらでは「クール」なことだとお話しました。
その背景には、従業員がストックオプションを得られるということも大いに貢献しているんです。

ベンチャーでは、現金のお給料は少ないものの、一部をストックオプションで貰い、
もし会社がドカーンと大きくなって、上場すれば、株価も跳ね上がり、
従業員は一気にミリオネアも夢じゃない…となるからです。

で、ジンガが今やっているのは、
初期の頃に雇った30人ほどが、大して会社に貢献していないと考えたため、
株式公開する前に株返せ〜!と言っているんですね。
お前には一儲けさせてやらないぞと。

30人くらいが対象になっていて、株の返却を告げられた人は、
弁護士を雇ったり、
株を保有したまま会社を去ったり…と様々な対応をしているようです。

それにしてもジンガのこの一件、ほとんど聞いた事のない例です。
一度契約を結んでストックオプションを渡しているんだから、
今返せって言われても、従業員も納得できないでしょう。
ましてやSNSの注目株で、公開後に株価が跳ね上がるのはほぼ確実でしょうし。

ジンガと言えば、雇った従業員が優秀でなければ、
バッサバッサと切り捨てることでも有名な企業です。

それにしても、厳しい。
これは確実に訴訟につながるでしょう。

ジンガの企業体質をちょっと目の当たりにした一件です。
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by katoyasuko | 2011-11-18 06:19 | シリコンバレー

Nyan Cat

お疲れの皆様に、なごむ画像をお届け。



4千万回以上も視聴されてます。

何の意味も無いのに、なんだか何回も見てしまうっていう…。
作ったひと、センスあります!
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by katoyasuko | 2011-11-18 02:45 | 動画

簡単なホームページの作り方

さて、今日は簡単なホームページの作り方について。

ホームページを語る前に、私のブログの名前、「Pink Tech」について説明しなくてはいけません。
こんな名前をつけたのは、テック系の人だけでなく、普通の人向けにシリコンバレーで起きているニュースや、便利なアプリなんかを紹介したかったから。
そして是非女性にも読んでもらえるものにしたい。
そんな気持ちをこめて「Pink Tech」という名前にしたのです。

で、ホームページと何の関係があるのかというと、
私自身全然プログラムとかホームページが語れる人ではないのです。
自分のパソコンも把握できていない。
何か起こったら「助けて~~」と悲鳴を上げるタイプの人間です。

でも、そこはシリコンバレーのテックの力を借りて、かなり問題が解消できるのですよ。
テクノロジーが、助けてくれる。
私がフリーランスであることは説明しましたが、
今はやはりホームページとか、ネット上で自分のことを説明する場がないといけませんよね。
会社員のかたでも、ブログとか、ホームページがあるほうが、
個人として色々と発信できるから、持ってたほうがいいんじゃないでしょうか。

そこでホームページを作らなければとなるのですが、
ここに関しては今まで敷居が高いイメージがあったはずです。
「ウェブデザイナーさんにお願いして、10万円は掛かるよね~」みたいな。
もちろん自力もできるんですが、バグがあったり、見た目がよくないと、死活問題になります。

私が色々今回リサーチしてみて、お勧めなのがAbout Meというところのホームページビルダーです。
ホームページビルダーというほど大げさなものではないんですが、
簡単だし、時代にあってると思ったので、お勧めできます。

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手前味噌ですが、自分のページのスクリーンショットを張ってみました。
このページはいたってシンプル。
自分の名前、職業、そしてその下にメモ帳みたいな感じに書き込めるスペースがあるだけです。
あとは、フォントを変えたり、色を変えたり、写真を変えたりしながら、
自分で1ページだけ作ります。

だから、別のページはなく、このページだけで完結するいたってシンプルなものです。
About Meはこのページを「Splash Page」と読んでいます。
導入ページといった意味です。

で、すごく便利なのが、フェイスブック、ツイッター、インスタグラム(ソーシャルカメラ)、フォースクエアといった、
ソーシャルメディアと連動できるところです。
(左下にアイコンが見えていると思います)
アイコンをおいて置けるので、私のとった写真とか、つぶやきなんかを見てもらえる。
だから「Splash Page(導入ページ)」って呼んでるんでるね。

たまたま電話で話している母親に、
「今ホームページ作ってみているところ」と話すと、
「ホームページもどれだけ更新したかが重要だよ」

と言われました。
そうなんです!そこが今までちょっと厄介で、敷居をあげていたところでもある。
ツイッターや写真、ブログを見てもらえば、
現在進行中のことを人に見てもらえますから、あれもこれもと更新しなくて言い訳です。

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アナリティックスもついているので、何人訪問したかとか、何時に訪問したかなども分かりますよ。
ページに広告は出ませんが、
メールボックスに「名刺作りませんか~?」というオファーが来ました。
こういう風にユーザー向けに広告を出すことで収益を上げていく楊です。

フォントの種類も豊富だし、見た目的に変なページになることはまずないでしょう。
とにかくシンプルだし、私のような、上手くページなんか作れないと思っているかた、
一度作ってみてください。簡単ですよ~。
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by katoyasuko | 2011-11-17 06:21 | アプリ

ジャーナリスト加藤靖子のブログです。ニューヨークで日経ビジネス勤務を経て、フリーに。シリコンバレーから、テック情報を書いています。メールはmail@yasukokato.com 。Photo:Takahiko Marumoto
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Profile

加藤靖子。1982年9月11日東京生まれ、九州育ちの29歳。
中央大学在学中から、マガジンハウスの編集部アルバイトに明け暮れる。卒業後米Pace大学に留学。在学中にジャーナリストのアシスタントをしながら、フリーで原稿を書き始める。
卒業後、2007年末から日経BP社ニューヨーク支局勤務。ビジネス・経済誌「日経ビジネス」編集部で、大統領選挙、金融危機、自動車産業の低迷などをレポートし、刺激的な日々を送る。
2011年からサンフランシスコ郊外、シリコンバレーに引越し。フリーになり、「日経ビジネス」「日経デジタルマーケティング」などに記事を寄稿。
最近はすっかりテック系ニュースに目覚め、シリコンバレーでテック系イベントに出席したり、インタビューを行ったりしている。
最近のインタビューは、シェリル・サンドバーグ(Facebook COO)、ナビーン・セバデュライ(Foursquare共同創業者)、ガ・ワン(Smule共同創業者)など。

好きなことは料理、体を動かすこと、友達としゃべること、ファーマーズマーケットに行くこと。
仕事とプライベートをあまり区別せず、楽しく仕事をしています。

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